オンチェーン金融
用語と概念の地図
決済、トークナイゼーション、オンチェーン金融に登場する言葉を、孤立した定義ではなく、金融・制度・技術・国際動向のつながりとして整理します。
実務で言葉の意味を確認するときにも、新しいテーマの入口を探すときにも使える、Meridian Houseの常設参照資料です。
言葉から、全体像へ。
各項目には関連語を付し、用語同士を行き来できるようにしています。制度やプロジェクトに関する記述は公開資料に基づき、変化に応じて更新します。個別の法務・投資判断ではなく、概念と論点を把握するための参照資料です。
A
AIエージェントが、利用者や企業から付与された権限の範囲内で、商品・サービスの選択、注文、支払手段の選択、支払い、証跡取得までを実行する仕組み。実装では、支出上限、利用先、期限、承認条件、返金可能性、監査証跡等の統制が必要となる。※
※出典:Google Developers Blog「Developer’s Guide to AI Agent Protocols」
マネーロンダリング対策(AML)およびテロ資金供与対策(CFT)の総称。金融機関は顧客確認(KYC)と取引モニタリングが義務付けられており、トークン化資産を扱う事業者も同様の対応が求められる。ブロックチェーン上ではトレーサビリティを活用したオンチェーンAMLツールが台頭している。
異なるシステム間でデータや機能を連携するための接続仕様。金融トークン化では勘定系とブロックチェーンノードを接続するAPIが重要な役割を担い、ISO 20022準拠のAPIがインフラ標準として普及しつつある。
ユーロシステムが進める、欧州の長期的なトークン化金融市場構想。単一の共有台帳に限定せず、複数のDLT基盤を相互運用する構成も含め、中央銀行マネー、民間マネー、トークン化資産、法制度、標準、ガバナンスを一体で検討する。Pontesが既存インフラとの短期的な橋渡しを担うのに対し、Appiaは将来の市場構造を設計する位置付けである。※
※出典:
ECB “Eurosystem unveils Appia roadmap for Europe’s tokenised finance”(2026年3月)
AIエージェントによる決済において、利用者の権限付与を暗号学的に証明するためのオープンプロトコル。購買の意図、確定した内容、支払いの実行という各段階について、署名された証明(マンデート)を用いる設計を採る。決済手段に依存しない中立的な仕様として策定されており、カード決済・ステーブルコイン・トークン化預金のいずれの実行レールとも組み合わせ得る点に特徴がある。
B
取引データをブロック単位でチェーン状に連結し、分散したノードで管理する台帳技術。改ざん耐性と透明性を持ち、金融機関においてはトークン発行・移転・決済の基盤として活用される。パブリック・プライベート・コンソーシアムの3類型がある。
発行済みトークンを流通から除外し、総発行量を減少させる処理。ステーブルコインやトークン化預金では、法定通貨や通常預金への償還と同期して実行される。Burn、償還金の支払、元台帳の残高更新を一体で管理する必要がある。
C
中央銀行が発行するデジタル通貨。法定通貨と1対1で価値が担保される。小売向け(リテールCBDC)と金融機関向け(ホールセールCBDC)に分かれる。日本では日本銀行が2021年からパイロット実験を実施しており※、2025年度に大規模実証フェーズに移行。民間ステーブルコインとの役割分担が国際的な議論の焦点になっている。
※出典:日本銀行「パイロット実験の進捗状況について」(2025年10月)
規制要件を事後的な確認作業として扱うのではなく、システムやトークンの設計段階から構造的に組み込む考え方。移転先を許可済みアドレスに限定する仕組み、監督当局への開示を前提とした選択的な情報開示、資産凍結機能の実装などが具体例に当たる。オンチェーン金融では取引が自動実行されるため、事後的な統制が効きにくく、設計段階での作り込みが不可欠となる。
D
分散型台帳技術(distributed ledger technology、DLT)は、金融資産や金融取引等のデータを記録するための技術であり、単一の中央管理システムを置くことなく、ネットワークでつながれた複数のコンピュータがデータの検証・更新を行うことを可能とする。
証券の引渡しと代金の支払いを相互に条件付け、いずれか一方のみが実行される状態を排除する決済方式。「証券を渡したのに代金が来ない」という取りはぐれリスク(元本リスク)を防ぐ仕組みで、国債決済等で実装されている。ブロックチェーン上でこれをスマートコントラクトにより実現したものがアトミック決済であり、DVPという既存の設計思想を新しい技術で実装し直したものと位置づけられる。
※出典:BIS CPMI「Glossary」
F
マネーロンダリング・テロ資金供与対策の国際基準を策定する政府間機関(本部:パリ)。仮想資産サービスプロバイダー(VASP)に対する規制ガイダンスを策定し、FATF勧告を踏まえ各国で関連法制度の整備が進められている※。国際的な規制議論においても役割を担っている。
※出典:金融庁「金融活動作業部会(FATF)」
米国連邦準備制度が2023年7月に稼働させた即時決済サービス。24時間365日の即時グロス決済を提供し、決済は中央銀行マネーで行われる。民間のRTPネットワークが先行していたこと、参加が義務化されていないことから、UPIやPixのような急速な普及とは異なる展開を辿っており、市場主導型の普及モデルの事例として注目される※。
※出典:Federal Reserve Financial Services
G
資金の調達・運用を目的とし受け渡す銘柄を特定しないものがGCレポ、特定の銘柄の調達を目的とするものがSCレポ。SCレポの金利水準は、その銘柄の需給の逼迫度を示す温度計として機能する。同じ取引が資金の市場と証券の市場を同時に映すという二面性が、レポ市場を金融システムの結節点にしている。
米国において決済用ステーブルコインの連邦レベルの規制枠組みを定めた法律(2025年成立)。発行体の要件、準備資産の構成と分別管理、償還に関する義務などを定める。欧州のMiCA、日本の改正資金決済法と並び、主要法域でステーブルコインが「規制された決済手段」として位置づけられる流れを示すものとされる。
I
ISO20022で定義される金融メッセージの体系。決済実務では、顧客から金融機関への支払指図であるpain系(例:pain.001)、金融機関間の送金電文であるpacs系(例:pacs.008)、金融機関から顧客への入出金報告・明細であるcamt系(例:camt.053、camt.054)が中心となる。共通の辞書と文法に基づいて構成されるため、異なるインフラ間でも同一の意味体系でデータを交換できる※。
※出典:ISO20022公式サイト
K
金融機関が顧客の本人確認・身元調査を行う義務的なプロセス。ステーブルコインや暗号資産の取引においても適用され、オンチェーンKYC(ウォレットアドレスに本人確認情報を紐付けるスキーム)に関する取り組みや議論が進められている。MiCA規制やFATFガイダンスにおいてAML/CFTやKYC対応に関する要件が提示されている。
M
シンガポール金融管理局。アジアにおけるデジタル資産規制などに取り組む機関の一つ。Project Guardian(資産トークン化の産官連携実証)やProject Nexus(多国間インスタント決済接続)などの取り組みを推進している。
EUの暗号資産市場規則。暗号資産、その発行者および暗号資産サービス提供者に共通の規制枠組みを設ける。ステーブルコインについては、資産参照型トークン(ART)と電子マネートークン(EMT)の発行、準備資産、償還、ガバナンス等を規定する。※
※出典:
European Commission “Crypto-assets – Markets in Crypto-Assets Regulation”
ブロックチェーンまたはトークン台帳上で、新たなトークンを生成し、特定のアドレスへ付与する処理。ステーブルコインやトークン化預金では、法定通貨の受入れ、預金残高の確保、発行権限の承認などと同期して実行される。
秘密鍵を複数の参加者に分散して保管し、誰も単独では鍵全体を知ることなく署名を生成できる暗号技術。単一障害点を排除できるため、カストディや機関投資家向けウォレット管理領域などで活用されている。HSMとの組み合わせで利用されるケースもある。
P
ブラジル中央銀行が2020年11月に稼働させた即時決済システム。中央銀行自らが構築・運営し、一定規模以上の金融機関に参加を義務づけた点、電話番号やメールアドレスを送金先IDとして利用できる共通ID体系を整備した点、個人間送金を無料とした点が特徴。稼働から数年でカード決済の合計を大きく上回る取引件数に達し、現金中心だった同国の決済慣行を短期間で転換させた事例として国際的に参照されている※。
※出典:Banco Central do Brasil(ブラジル中央銀行)
市場のDLT基盤とユーロシステムのTARGET Servicesを接続し、DLT上のホールセール取引を中央銀行マネーで決済するためのソリューション。Appiaに対し、既存インフラを活用した短期・段階的な接続策であり、初期提供は2026年第3四半期に予定されている。※
※出典:
ECB “Pontes”
BIS(国際決済銀行)と主要国の中央銀行、および多数の民間金融機関が参加する、統合台帳の概念を用いたクロスボーダー決済の実証プロジェクト。トークン化された中央銀行マネーとトークン化預金を同一の基盤上で組み合わせ、国際送金の効率化と摩擦の低減を検証する。日本銀行を含む複数の中央銀行が参加している※。
※出典:
BIS “Project Agorá: a shared programmable platform for wholesale cross-border payments”(2026年5月)
シンガポール金融管理局(MAS)が金融業界と進める、デジタル決済資産による決済機能の拡張イニシアティブ。トークン化された銀行負債や適切に規制されたステーブルコインを利用し、複数通貨・クロスボーダー決済の標準化を検証する。※
※出典:
MAS “MAS Launches BLOOM Initiative to Extend Settlement Capabilities”(2025年10月)
シンガポール金融管理局(MAS)が主導する、資産トークン化と分散型金融技術の実用化を検討する国際的な官民連携イニシアティブ。債券、外国為替、資産運用などでユースケース、標準、政策・規制上の論点を検証する。※
※出典:
金融庁 “FSA’s Participation in MAS's Project Guardian initiative on Digital Assets”(2023年6月)
MAS(シンガポール金融管理局)主導による多国間インスタント決済ネットワーク接続プロジェクト。各国の即時決済システム(IPS)を標準APIで接続し、クロスボーダー送金のコスト・速度を大幅に改善することを目指す。インド・マレーシア・タイなどが参加する予定。
外国為替取引において、二つの通貨の支払いを相互に条件付けて同時に実行する決済方式。一方の通貨だけを支払った後に相手方が破綻する外為決済リスク(ヘルシュタット・リスク)を回避する。DVPの通貨版に当たる考え方であり、トークン化された複数通貨を同一台帳上で交換する構想の理論的背景ともなっている。
※出典:BIS CPMI「Glossary」R
支払指図を1件ごとに、その都度即時に中央銀行マネーで決済する方式。差額をまとめて決済する時点ネット決済と異なり、決済までの間に金融機関同士の未決済残高が積み上がらないため、システミックリスクを構造的に抑制できる。日銀ネットは2001年にRTGSへ全面移行し、全銀システムでも2011年から1件1億円以上の大口取引がRTGS方式に移行した。安全性と引き換えに、金融機関には日中流動性の確保という負担が生じる。
不動産・債券・株式・コモディティ・インフラなどの現実世界の資産をブロックチェーン上でトークン化したもの。資産の小口化やデジタル上での管理・流通を可能にする概念として注目されている。
S
有価証券(株式・社債・不動産ファンド持分など)をトークン化して発行・流通させること。日本では金融商品取引法上の「電子記録移転権利」として規制され、第一種金融商品取引業の登録が必要。デジタル社債の発行が国内で複数実施されている。
世界の金融機関が共同所有する協同組合形式の金融メッセージング・ネットワーク(本部:ベルギー)。1973年設立。標準化された電文により送金指図等を伝達するが、資金そのものは移動させず、実際の決済はコルレス口座や各国の決済システムで行われる。すなわち「メッセージの層」と「お金の層」は分離している。従来のMT形式からISO20022への移行が進められている※。
※出典:SWIFT公式サイト
国際送金に一意の追跡番号(UETR)を付与し、送金の進捗状況や控除された手数料を可視化する仕組み。宅配便の荷物追跡に相当する機能を国際送金にもたらし、「いつ・いくら着金するか分からない」という従来の課題に対する既存レール側からの回答となった。多くの主要ルートで送金が短時間で完了していることが同基盤のデータから示されている※。
※出典:SWIFT公式サイト
U
中央銀行マネー、トークン化預金、トークン化資産等を共通のプログラマブル基盤上で取り扱い、取引、メッセージ、照合、資産移転を一体化する将来の金融市場インフラ構想。単一台帳に限定されず、用途別台帳をAPI等で相互接続する構成も含めて議論されている。※
※出典:BIS「Blueprint for the future monetary system」(2023年)
インドの銀行界共同組織NPCIが2016年に稼働させた即時決済基盤。銀行口座を裏側に持ちながら、スマートフォンアプリ・ID・QRコードを共通規格として開放し、どの銀行の口座でも同一の作法で送金できる設計とした点に特徴がある。個人間送金の手数料を実質無料としたことも普及の要因とされ、世界のリアルタイム決済の中で極めて高い取引シェアを占めるまでに成長した※。
※出典:NPCI(インド決済公社)
Circle社が発行するドル連動型ステーブルコイン。1USDC=1USDの価値が保証され、米国財務省短期証券などの現金同等物によって裏付けられている。企業間決済・クロスボーダー送金・DeFi領域などで利用されており、世界的に流通量の多いドル建てステーブルコインの一つ。
V
FATFが定義する仮想資産サービス提供者。仮想資産と法定通貨の交換、仮想資産間の交換、移転、保管・管理、発行・販売に関連する一定の金融サービスを他者のために業として行う者をいう。国内法上の業態区分とは必ずしも一対一で対応しない。※
※出典:
FATF “Targeted Update on Implementation of the FATF Standards on Virtual Assets and VASPs”
W
デジタル資産の送受信・保管に用いる秘密鍵を管理するソフトウェアまたはハードウェア。金融機関向けでは、カストディアル・ウォレット(鍵を機関が管理)とセルフカストディを区別して整理することが多い。鍵管理方式としてはHSM・MPC・マルチシグなどが利用される。
X
HTTPステータスコード402(Payment Required)を活用し、APIやコンテンツへのアクセスに対する支払いをプロトコルレベルで実現する仕組み。サーバーが支払要件を返し、クライアントが署名済みの支払情報を添えて再送、検証・実行を担うファシリテーターがオンチェーンで決済する、という流れを採る。事前の契約や口座開設を要さず、極めて少額の決済にも対応できる点から、マシン間決済のレールとして注目される。
Z
振込電文に商取引情報(請求書番号等のEDI情報)をXML形式で添付できるようにするために整備された全銀ネットの基盤。2018年稼働。ISO20022ベースの仕組みだが、企業側の会計・受発注システムの対応が伴わなければデータが実際には流通しないため、利用は限定的にとどまったとされる。「レールを敷くこと」と「データが載ること」は別の課題であることを示す事例として参照される※。
※出典:全国銀行資金決済ネットワーク
あ
複数の資金移動や資産移転を、すべて成立させるか、すべて不成立にするかのいずれかで処理する決済方式。一部の処理だけが完了する状態を避け、証券決済のDvPや外国為替決済のPvPに利用される。Project Agoráでは、複数通貨・複数法域のアトミック決済が検証された。※
※出典:
BIS “Project Agorá: a shared programmable platform for wholesale cross-border payments”(2026年5月)
仲介者を介さずに、異なるブロックチェーン上の資産を同時に(アトミックに)交換する仕組み。「DVP(Delivery versus Payment)」のオンチェーン実装のひとつとして注目されており、決済リスクの低減が期待されている。
銀行、取引所、カストディ事業者などの仲介者ではなく、利用者自身が秘密鍵を管理するウォレット。P2P移転では、取引当事者の特定、制裁スクリーニング、トラベルルール、秘密鍵紛失時の救済が課題となる。※
※出典:
FATF “Targeted Report on Stablecoins and Unhosted Wallets – Peer-to-Peer Transactions”(2026年3月)
AIエージェントが利用者に代わって商品・サービスの選択、購買、支払いを実行する取引形態。取引の当事者が人間ではなく機械となるため、誰の権限に基づく取引かを証明する仕組み、超少額・高頻度の決済に耐えるレール、想定外の購買が生じた場合の責任分担といった、従来の決済にはなかった設計課題が生じる。
外部(オフチェーン)のデータをブロックチェーン上のスマートコントラクトに提供する仕組み。為替レート・金利・資産価格など、リアルワールドのデータを取り込むためのデータ・レポジトリ。
ブロックチェーン上の取引履歴、ウォレット間の資金移動、既知の不正アドレス等を分析し、マネーロンダリングや制裁違反のリスクを検知する仕組み。アドレスのリスクスコアリングや取引モニタリングに利用されるが、顧客本人確認や疑わしい取引の判断を単独で代替するものではない。※
※出典:FATF「Virtual Assets」
ブロックチェーンや分散型台帳上で、マネー、証券、預金、担保、契約条件、取引データなどをプログラマブルな台帳上で記録・連携し、金融取引の一部または全部を処理する金融の形態。単に金融商品をトークン化するだけでなく、価値移転、権利移転、業務ロジック、商流・物流データ、本人確認、コンプライアンス、決済、を一体の業務プロセスとして同じ処理基盤上で同期できる点に特徴がある。
銀行預金や現金などのオフチェーンマネーをトークンへ交換する入口をオンランプ、トークンを法定通貨や銀行預金へ戻す出口をオフランプという。本人確認、入出金、為替交換、償還、資金保全、取引モニタリングを担う。
か
デジタル資産の秘密鍵、取引権限、残高情報などを利用者に代わって管理・保全する業務または機能。鍵保管だけでなく、署名承認、入出庫管理、資産分別、監査証跡、障害復旧まで含む。カストディアル・ウォレットでは事業者が鍵を管理し、セルフカストディでは利用者自身が管理する。
本人確認、契約、制裁スクリーニング等を完了し、あらかじめ許可リストに登録されたウォレットだけが保有・送受信できる設計。金融機関向けトークンでは、ウォレットアドレスと顧客IDを紐付け、移転制限や凍結等の統制と組み合わせることが多い。
日本の証券規制の基幹法。日本では、一定のデジタル証券(セキュリティトークン)が電子記録移転権利として金融商品取引法の適用対象となる。発行・販売スキームに応じて金融商品取引業登録が必要となる場合がある。2020年の法改正でデジタル証券に関する条項が整備された。
複数のブロックチェーンまたは分散型台帳をまたいで、資産・データ・命令を連携させること。実装方式にはブリッジ、メッセージングプロトコル、アトミックスワップ、共通決済層などがある。チェーンごとにファイナリティが異なるため、片側だけが確定するリスクへの対応が必要となる。
支払人と受取人、またはそれぞれの金融機関が異なる国・法域に所在する決済。通貨交換、時差、複数の中継銀行、各国規制、決済システムの違いが関与するため、国内決済より処理が複雑になりやすい。
決済が取消不能かつ無条件となり、資金または資産の移転が最終的に確定した状態。台帳上の技術的ファイナリティと、法令・システム規則・参加者契約に基づく法的ファイナリティは必ずしも同じではない。
決済参加者間の支払義務を最終的に消滅させるために用いられる資産。中央銀行マネー、銀行預金、ステーブルコイン等が候補となり、安全性、信用リスク、流動性、法的確実性、利用時間などが選定上の主要論点となる。※
※出典:BIS CPMI「Glossary」
桁の位置によって各項目の意味が定まる電文形式。通信コストが高価だった時代に設計された効率的な様式で、全銀システム等で長く用いられてきた。一方、格納できる情報量が限られること、項目が構造化されていないため機械処理に適さないこと、項目追加に全参加者の同時改修を要することが制約となり、ISO20022への移行が課題とされている。
国際送金において、銀行同士が互いに口座を開設し合うことで資金決済を行う提携関係。世界共通の中央銀行が存在しないため、国境を越える決済では中央銀行マネーではなく、コルレス先の銀行に保有する預金残高を動かすことで決済が成立する。直接の提携関係がない相手への送金は複数の中継銀行を経由するため、時間・手数料・着金額の不確実性が生じやすい。
特定の参加者グループが共同で管理するブロックチェーン。完全公開のパブリックチェーンと単一組織管理のプライベートチェーンの中間に位置する。地域銀行連合や貿易金融での活用が見られる。代表例はHyperledger FabricやCordaなどが知られている。
さ
銀行以外の事業者が登録により為替取引を営むことを認める資金決済法上の制度。2010年施行。預金の受入れはできず、利用者から預かった資金は供託・保証・信託等により全額以上を保全する義務が課される。2021年施行の改正で、取扱金額に応じて第一種(認可制・高額送金可)、第二種(登録制)、第三種(少額特化)の3類型に再編された。ステーブルコインの発行主体の一つでもある。
電子マネー・前払式支払手段・資金移動業・暗号資産などを規制する日本の法律。2022年改正資金決済法(2023年施行)により電子決済手段(ステーブルコイン)に関する制度が整備された。日本では、電子決済手段の発行主体として、銀行・資金移動業者・信託会社等が位置づけられており、取扱業者は登録制となっている。
一定期間の取引を集計し、参加者ごとの差額(受払尻)のみを決められた時点で決済する方式。決済に必要な流動性を大幅に節約できる一方、決済時点までは参加者間に未決済の債権債務が残るため、参加者の破綻が連鎖するリスクを伴う。このため担保の差入れや与信限度額の設定といったリスク管理措置が併用される。全銀システムの小口取引はこの方式を採用している。
複数の台帳、システム、取引記録の残高や明細が一致していることを確認し、不一致を特定・解消する業務。トークン化預金では、銀行勘定系、トークン台帳、顧客別残高、会計記録、発行総額の整合を確認する。
ステーブルコインやその他のデジタルトークンを発行者等へ返却し、対応する法定通貨、預金または裏付け資産の交付を受けること。償還請求権を持つ者、受付時間、最低金額、手数料、支払期限、停止条件を確認する必要がある。
ステーブルコイン等の発行・償還を支えるため、発行者や信託等が保有・管理する預金、国債、短期金融資産その他の資産。評価では、額だけでなく、名義、分別管理、信用力、価格変動、満期、流動性、保管先が重要となる。
商業銀行が受け入れた預金として存在するマネー。預金者から見れば銀行に対する請求権であり、銀行から見れば負債である。トークン化預金は、この商業銀行マネーをプログラマブルな台帳上で利用できるようにする構想である。
現行の全銀システムとは別に構築が検討されている、次世代の銀行間決済基盤。2026年3月に全銀ネットの有識者会議が報告書を公表し、2030年の稼働を目指すこと、当面は現行システムと併存させ将来的な一本化も視野に入れること、リアルタイム決済やトークン化預金・ステーブルコイン等の新しい決済手段との連携に対応すること、構築の是非を2026年度中に判断することなどが示された※。ISO20022への対応も中心的な論点とされる。
※出典:全国銀行資金決済ネットワーク(検討状況は今後の公表により変わり得ます)
銀行が貸出を実行する際に、借り手の預金口座に記帳することで新たな預金通貨が生み出される仕組み。既存の預金を移し替えているのではなく、貸出金(資産)と預金(負債)が同時に発生する。ステーブルコインの発行者が受け入れた資金を安全資産として保全するのに対し、トークン化預金は銀行預金を表象したものであるため信用創造の機能と両立する点が、両者の構造的な差異として重要となる。
価格の安定性を維持するよう設計された暗号資産の一形態。法定通貨(USD・JPYなど)に価値を連動させるタイプが多い(例:USDC・JPYC)。日本では2023年改正資金決済法により電子決済手段として法的に位置づけられ、発行者・取扱業者に規制が整備されている。
契約条件をコードとしてブロックチェーン上に記述し、条件成立時に自動実行されるプログラム。人手を介さずに利息支払い・担保解放・決済などを自動化できる。金融実務ではバグや脆弱性リスクへの対応としてコード監査や形式検証が実施されるケースもある。
国内のほぼ全ての金融機関を接続する銀行間送金システム。正式名称は全国銀行データ通信システム。1973年稼働で、振込電文の中継と「どの銀行がどの銀行にいくら払うべきか」の清算(クリアリング)を担う。実際の資金の受け渡し(決済)は日銀当座預金で行われるため、全銀システム自体の中を資金が流れるわけではない。約8年周期で世代交代し、現在は第8次システムが稼働。トークン化預金やステーブルコインとの接続を見据えた次世代基盤の検討も進められている※。
※出典:全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)
全銀システムを運営する資金清算機関。正式名称は一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク。資金決済法上の資金清算機関として免許を受け、参加金融機関の清算・決済を担う。2022年の制度整備により銀行以外の資金移動業者の参加も可能となり、参加者の範囲が拡大している※。
※出典:全国銀行資金決済ネットワーク
異なるシステム、台帳、ネットワーク、データ形式、ルールの間で、情報や価値を正確かつ継続的に交換できる性質。金融トークナイゼーションでは、ブロックチェーン間だけでなく、勘定系、決済システム、ウォレット、ISO 20022、法制度を含む接続性を指す。
※出典:BIS「Blueprint for the future monetary system」(2023年)た
中央銀行の負債として発行されるマネー。一般利用者が保有する現金と、金融機関が保有する中央銀行当座預金・準備預金が代表例である。銀行間決済のファイナリティと、異なる民間マネーの価値をつなぐアンカーの役割を担う。
同じ通貨単位で表示された異なる形態のマネーが、額面どおりに交換され、共通の価値尺度として受け入れられる状態。銀行預金や民間デジタルマネーへの信頼は、中央銀行マネーとの等価交換可能性によって支えられる。※
※出典:
BIS “The next-generation monetary and financial system”(2026年)
ユーロシステムが検討する、現金を補完するリテール向け中央銀行デジタル通貨。市民や企業がユーロ圏全域で利用できる公共デジタルマネーを目指すが、発行は決定されておらず、関連法制の成立を前提として準備が進められている。※
※出典:
ECB “The digital euro: preparing for a potential launch”(2026年3月)
ステーブルコインなどの市場価格が、目標とする参照価格から乖離すること。準備資産への懸念、償還停止、市場流動性の不足、発行者の信用不安、スマートコントラクトの障害などが原因となり得る。
金融機関がマネロン等のリスクを回避するため、リスクが高いと判断した国・地域・業種との取引関係を包括的に解消する動き。個々の判断は合理的でも、集積するとコルレス網の縮小を招き、一部地域で送金経路が細り送金コストが上昇するという副作用が指摘されている。G20が国際送金の改善を政策課題に掲げた背景の一つ。
2023年改正資金決済法が新設した分類。法定通貨と1対1で価値が連動し、不特定多数との間で使用できるデジタル資産を指す。ステーブルコインがこれに該当し、発行者は銀行・資金移動業者・信託会社に限定される。取扱業者の登録制度も整備された。
電子決済手段(ステーブルコイン)の売買・交換の媒介や、他人のために管理する行為等を業として行う者に係る登録制度。2023年施行の改正資金決済法により新設された。発行体に対する規律とは別に、流通・管理を担う仲介者側にも利用者保護やAML/CFTの観点から規制を及ぼす構造となっている※。
※出典:金融庁
中央銀行マネー、銀行預金、各種のトークン化資産を、同一のプログラマブルな基盤上に載せる構想。BIS(国際決済銀行)が提唱した。顧客レッグと銀行間レッグ、資産の移転と資金の決済が単一の台帳上で完結するため、相互運用性の課題や決済の同期の問題が構造的に解消される一方、台帳の運営主体や参加資格、障害時の責任分担といったガバナンス上の論点は最も重くなる※。
※出典:BIS(国際決済銀行)
資産の権利や価値をブロックチェーン上のデジタルトークンとして表現・記録するプロセス。通貨・証券・不動産・債権など、さまざまな資産が対象となる。決済の効率化・担保管理の高度化・流動性の向上などへの活用が期待される。単なる「速くて安い送金」ではなく、金融インフラの構造的再設計として捉えるべき概念。
国債をブロックチェーン上のトークンとして発行または表章するもの。最上位の担保資産が原子的に、24時間365日移転できるようになれば、担保の回転が速まり日中レポのような新しい取引形態が可能になる。英国では2026年2月にパイロット発行の基盤提供事業者が選定され、2027年第1四半期までの試験発行が目標とされている。中央銀行が市場オペレーションの担保として受け入れるかどうかが、その価値を左右する。※
※出典:英国財務省によるDIGIT(Digital Gilt Instrument)の公表資料。日本では2026年7月の成長投資金融戦略で財務省による国債等のトークン化対応の検討が明記された
国債、社債、ファンド持分、預金その他の資産をデジタルトークンとして表象し、担保として拘束・評価・差替え・解放できるようにしたもの。権利関係、資産の正本、カストディ、価格情報、担保権の実行可能性を一体で設計する必要がある。※
※出典:BIS「The next-generation monetary and financial system」(2025年)
中央銀行当座預金や中央銀行準備などの中央銀行マネーを、DLTまたはプログラマブルな台帳上で決済に利用できるよう表現したもの。主に金融機関間のホールセール決済を対象とし、トークン化預金やトークン化証券の最終決済資産として検討される。※
※出典:
BIS “Project Agorá: a shared programmable platform for wholesale cross-border payments”(2026年5月)
銀行預金を、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いてデジタルトークンとして表象(トークン化)するプロセスや仕組み。従来の銀行預金債権そのものがトークン化されるため、安全性や規制の観点では従来の銀行預金との関係性を維持した形で設計されるケースが多い。
暗号資産等の移転に際し、送付側・受取側の事業者が、送付人・受取人に関する一定の情報を取得・伝達することを求めるAML/CFT上のルール。FATF勧告に基づいて各国で制度化されているが、対象資産、閾値、必要情報は法域により異なる。※
※出典:
FATF “Targeted Update on Implementation of the FATF Standards on Virtual Assets and VASPs”
な
現金を輸送することなく、国内の離れた当事者間で資金を移動させる仕組みの総称。振込や口座振替がこれに当たる。法律上は「為替取引」に該当し、原則として銀行業または資金移動業の免許・登録が必要となる。国境をまたぐ場合は外国為替と呼ばれる。決済の本質が「現金の移動」ではなく「記録の書き換え」であることを示す概念でもある。
中央銀行が中央銀行マネーを発行し、商業銀行が預金と信用を供給する二層構造の通貨システム。銀行預金は中央銀行マネーへ額面で交換できることによって信頼を得る。トークン化金融でもこの役割分担を維持する考え方が重視される。※
※出典:
BIS “The next-generation monetary and financial system”(2026年)
日本銀行が運営する資金決済・国債決済のオンラインシステム。1988年に稼働し、2015年に全面刷新された新日銀ネットが現行基盤。金融機関間の資金取引、国債の売買代金、全銀システムの清算尻の決済など、日本の決済の最終段階を担う。国債決済ではDVP(証券と資金の同時受渡し)が実装されている。ISO20022への対応も進められている※。
※出典:日本銀行
金融機関が日本銀行に保有する当座預金。銀行間決済の最終的な決済手段であり、中央銀行自身の債務であるため円建てでは信用リスクを負わない。決済インフラとしての機能に加え、準備預金制度の受け皿および金融政策の操作対象という側面も併せ持つ。トークン化預金やステーブルコインが24時間365日稼働する場合、その裏側にある銀行間決済をどう設計するかという観点から、当座預金のトークン化に関する検討が国内外で進んでいる※。
※出典:日本銀行
金融機関が営業日中に支払・決済義務を履行するために利用できる資金または担保。リアルタイム決済、即時グロス決済、マージンコールの増加に伴い、必要額、利用時間、調達手段、担保拘束を一体で管理することが重要となる。※
※出典:BIS CPMI「Glossary」
複数の支払・受取債務を相殺し、差額で決済する仕組み。必要資金や決済件数を削減できる一方、法的有効性、相殺対象、決済時点までの信用リスク、参加者破綻時の取扱いを明確にする必要がある。※
※出典:BIS CPMI「Glossary」
コルレス取引において、自行が海外の提携銀行に保有する口座をノストロ勘定(「我々の口座」)、相手行が自行に保有する口座をボストロ勘定(「貴方の口座」)と呼ぶ。国際送金の資金はこれらの口座残高の書き換えによって動く。世界各国・各通貨のノストロ勘定に待機させる資金は運用機会を失う滞留資金(trapped liquidity)となり、国際送金コストの隠れた構成要素とされる。トークン化による流動性効率の改善が期待される領域でもある。
ブロックチェーンネットワークに参加し、取引の検証・台帳の複製を保持するコンピュータ。金融機関が自行ノードを運用することで、ネットワークへの直接参加し取引データを確認できる。バリデーターノードは、ネットワーク上で取引検証やブロック生成を担う。
は
決済が取り消されたり無効になったりすることなく、無条件かつ最終的に完了した状態。中央銀行マネーによる決済は信用リスク・流動性リスクを伴わないためファイナリティを持つとされる。オンチェーン金融では、ブロックチェーン上の技術的な確定(技術的ファイナリティ)と、法的にいつ取消不能となるか(法的ファイナリティ)を接続する設計が重要な論点となる。
24時間365日稼働し、口座間の資金移動が数秒で完了し、受取人が直ちに資金を利用できる小口決済インフラ。英国FPS(2008年)を先駆けとして各国で導入が進み、インドのUPI、ブラジルのPix、米国のFedNowなどが代表例。日本では全銀システムとモアタイムシステムがこれに相当する機能を担う。各国のシステムは技術的には類似するが、普及度の差は参加義務や手数料体系といった制度設計に大きく左右される。
将来の支払いまたは決済に備えて、必要資金を事前に口座、ウォレット、決済機関等へ配置・拘束しておくこと。決済不履行リスクを抑えやすい一方、資金が利用できない時間が生じるため、クロスボーダー決済や24時間決済では流動性コストが重要な論点となる。
取引条件、権限、支払トリガー、資産移転、コンプライアンス確認などの業務ルールをコード化し、条件に応じて自動実行できる性質。スマートコントラクトは代表的な実装手段だが、プログラマビリティ自体はDLT固有の機能ではない。
金額、支払先、期限、納品・検収、本人属性などの条件をプログラムとして設定し、条件成立時の実行、保留、分割、返金等を自動化する支払い。スマートコントラクトを利用する場合だけでなく、APIや既存決済基盤と組み合わせる実装も含む。
担保資産の市場価値から一定割合を差し引き、融資可能額や担保価値を保守的に算定するための調整率。価格変動、換価期間、流動性、信用力、集中リスク等を反映し、担保価値の下落に備える。※
※出典:BIS CPMI「Glossary」
金融機関間の大口決済に用いることを想定した、トークン化された中央銀行マネー。一般利用者向けのリテールCBDCと区別される。トークン化預金やトークン化証券の銀行間決済レッグを、中央銀行マネーで、かつ台帳上で完結させることを可能にする。各国中央銀行が実証を進めており、既存の中央銀行当座預金と並行して発行する方式や、既存システムと外部台帳を同期させる方式などが検討されている。
ま
担保価値の下落やポジションの変動により、必要担保額を下回った場合に、追加担保の差入れやポジション縮小を求めること。オンチェーンでは価格オラクルとスマートコントラクトを用いて判定・通知・担保追加を自動化できる。※
※出典:BIS「The next-generation monetary and financial system」(2025年)
代金をあらかじめ受け取り、その対価として発行される証票・電子的な残高。商品券やプリペイド型電子マネーが該当する。資金決済法上、原則として払戻しが禁止される一方、発行保証金の供託等による利用者資金の保全が義務づけられる。送金(為替取引)に使える資金移動業の残高とは法的性質が異なる。
複数の秘密鍵のうち、あらかじめ定めた数(m-of-n)の署名がそろった場合のみ取引を承認できる仕組み。単一の鍵紛失・漏洩リスクの低減を目的として利用される。金融機関向けウォレットなどでは、内部統制や承認フローとの組み合わせを考慮して採用されるケースが多い。
AIエージェントに対する利用者の授権範囲を、検証可能な形式で定義した署名済みの証明。「何を・いくらまで・いつまで購入してよいか」といった条件を機械可読に表現する。法的には、エージェントの行為を本人の道具とみるか、代理に類するものとみるかによって位置づけが変わり得るが、いずれの構成であっても事前かつ明確な授権の記録として機能する点に実務上の意義がある。
全銀システムにおいて、平日日中の稼働時間帯(コアタイム)を超えて夜間・休日の振込を可能にする仕組み。2018年に稼働し、参加金融機関の間では24時間365日の即時振込が実現した。ただし顧客レッグが24時間化しても、銀行間の資金決済は営業日に行われる建付けが基本であり、この「表の層」と「裏の層」の時間差の扱いが、オンチェーン金融の設計論点にも接続する※。
※出典:全国銀行資金決済ネットワーク
や
金融機関が破綻した場合に預金者を保護する制度。日本では預金保険機構が運営し、一般預金等は1金融機関あたり元本1,000万円とその利息までが保護される(決済用預金は全額保護)。トークン化預金は銀行預金であるため預金保険の対象となる一方、ステーブルコインや電子マネーは対象外であり、裏付け資産の保全という別の仕組みで利用者保護が図られる※。
※出典:預金保険機構
ら
支払いに付随して伝達される、構造化された豊富な関連情報。ISO20022では当事者の氏名・住所・国が個別の項目に分解され、請求書番号や送金目的コードを格納する領域も定義されている。これにより入金消込の自動化や制裁リスト照合の精度向上が可能となる。
(1)金融における流動性:資産を損失なく現金化しやすい性質。トークン化によって従来流動性が限定的だった資産(不動産・社債等)の取引機会拡大や流動性向上が期待されている。
(2)DeFiにおける流動性プール:スマートコントラクトにトークンを預け入れ、AMM(自動マーケットメーカー)などを通じた取引を可能にする仕組み。
決済指図をキューに保留し、相殺可能性や優先順位を考慮して同時実行することで、即時グロス決済の安全性を維持しながら必要流動性を削減する仕組み。バイラテラルまたはマルチラテラルなオフセット、条件付きリリース等が用いられる。※
※出典:BIS CPMI「Glossary」
一方の当事者が証券を売却し、将来の指定日・指定価格で買い戻すことを約する取引。経済的には証券を担保とした短期の資金調達・運用として機能する。オンチェーン化により、担保移転と資金決済、評価、マージン、満期処理の自動化が検討されている。※
※出典:BIS「The next-generation monetary and financial system」(2025年)
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